車輪の国、向日葵の少女 感想、レビュー 人の弱さと強さ


あかべぇそふとつぅ制作のゲーム「車輪の国、向日葵の少女」の感想、紹介記事を書きたいと思います。  ※PSP、PS3で全年齢版あり、プレイ時間目安:30~35時間(FD入れると+15時間)
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・感動・・・10+
・ハマり度・・・10
・キャラ・・・10+
・音楽・・・10
・CG、演出・・・9
・総合・・・10+

この「車輪の国、向日葵の少女」ですが、神ゲーと聞いて、エロゲ初心者だった時に、友人から教えもらったなのがきっかけでプレイしましたが最高でした。

あらすじ
初夏。

罪を犯すと『特別な義務』を負わされる社会。

罪人を更正指導する『特別高等人』という職業を目指す主人公・森田賢一は、その最終試験のため、とある田舎町を訪れる。

『1日が12時間しかない』『大人になれない』などといった義務を負う少女たちと学園生活を送るが、『恋愛できない』少女・夏咲と出会ってから、賢一の歯車が狂いだす。

崖にひっそりと建てられた自分の墓、山間洞窟に隠された父親の遺産が次々と賢一を追い詰めた。

贖罪を問われた男が見た、車輪の国の真実とは……。

重厚な世界観を軽妙なタッチで描いた、感動のヒューマンドラマ

・ストーリーについて(シナリオ:るーすぼーい)

一章ごとに一人一人それぞれが独自に背負っている問題、このゲームでは「義務」とされているのですが、それに向き合い、克服していくというようなストーリー展開になっています。

各章とも、序盤はあまり引き込まれるような展開はないんですが、その分、萌えと笑いがあるため、あまりだれずに楽しく読めました

人の好みで格ヒロインのストーリーの評価は異なるでしょうが、全章「人の弱さと強さ」は共通のテーマになっています。特に弱さの部分、人の負の部分は本当にリアルに描かれていて、かなり感情移入できました。

ただ、人によっては、格ヒロインのストーリー序盤は特に「弱さ」の部分が目立つので、「うじうじしてんじゃねえよ。」って感じでイライラするかもしれません。

僕もけっこうそういう風に思った時もありましたが、そこがあったからこそ終盤での感動もより増したといあのもあると思います。

各ルートのラストで、ヒロインたちが見せてくれる「強さ」には本当に心打たれました。

中には、当時の高3で無気力にだらだら生きていた私の人生を変えたと言っても過言ではない程感動したのもありました。

また、この作品には思わず「おおっ︎」とか「えっ︎」って唸ってしまうようなびっくりさせてくれる展開が多いのも魅力ですね。(特に終盤の展開は圧巻です)

・キャラについて

主人公、ヒロイン、みなかなり魅力的で印象にも残るキャラばかりです。

かっこいいし、萌えるし、笑えるしでかなりレベルが高いです。

しかし、あまりにも強烈過ぎるキャラが一人います。

ラスボス的な存在なんですが、単純に強いとかじゃなく、なんかもう価値観と言動が最強にして最恐過ぎてやばいです。

勘ですが、このゲームをプレイした人に、「一番印象に残ったキャラは誰ですか?」っていう質問をしたら、「とっつぁん。」(愛称)っていう人が一番多いんじゃないかと思います。

シビアな社会の権化のようなキャラで、本当にとことん厳しい社会、現実というものを主人公とヒロインたちに突きつけてきます。

ドSで恐ろしくも正しい名言が彼から飛び出しまくりますので、そこも見所です。

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一部紹介↓

「人生は、上がるか下がるか。現状維持などない。なぜなら、自分が成長しなくても時間だけは過ぎていくからだ。」


「国が、資格が、こんな特許が、親が、信頼する友人がこういったから、、、すぐ安心し、思考を停止する。そのくせ、裏切られたときには、豚のようにわめき散らす」


「指導者は、謝るな。誰かに責任を押し付けられない立場の人間の謝罪が許される社会は堕落の一途を辿る。」

勘違いしないで頂きたいんですが、この作品のキャラクターは主人公はじめ、かなり濃く、とても魅力です。

ただ、この「とっつぁん」のインパクトがあまりにも強烈過ぎるだけなんです。

また、ヒロインの一人である「大音灯花」は個人的に最高のツンデレキャラですグッド(上向き矢印)
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・音楽について(音楽:MANYO(Little Wing)、下地和彦、Ebi、Morrigan(WAVE)、tiko-μ、如日(UI-70)、片霧烈火、まつ、歌:片霧烈火)

また、この作品は音楽もかなり良いです。そのまま聴いてももちろんいいんですが、ゲーム攻略後にOPを聴くと、なんかもう思い出し泣きできちゃいます。

BGMも、単体で聴いてもいいくらいレベル高いですし、場面に合ってます。

・CG、演出について(原画:有葉)

大体十年くらい前の作品にはなるんですが、絵は中々良いと思います。背景は最近の奴の方が綺麗だと思いますが。

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演出も非常に上手いです。泣けるシーンで流れるBGMのチョイスが憎いです。

そのBGMの演出だけで、感動が何割か増してる気がします

・まとめ

「神ゲー」と言われるだけあって、ストーリー、キャラクター、音楽、演出、あらゆる面において完成度が高く、世間の評価に違わない名作だと思います。

また、名言がかなり多く、この作品の名言集を作っている人がけっこう多いです。(僕もその一人です)万人におすすめしたい作品ですが、

以下の要素を求める人には特におすすめしたい作品。

・感動

・キャラが魅力的

・設定が面白い

・ギャグが笑える

・メッセージ性が強い


OP↑

車輪の国、向日葵の少女 ダウンロード版

本編が楽しめた方はFDもありますので、是非プレイしてみて下さい、特に、本編で凄まじい存在感を誇った法月のとっつぁんの過去編は見物です。

全年齢版の方は、↑の本編+FDがセットになっていてお得です。

あと、この作品はandroid端末でもプレイできます(こちらは18禁)↓
 http://anigema.jp/main/game/136/

名言集はこちら

以下は私がこのゲームをやって考えたことです。(ネタバレは極力無し)興味がある方は是非読んでみて下さい。

「社会」「人間の弱さと強さ」これがこのゲームの大きなテーマであると思います。
僕も実感することですが、小さいかったころと比べ、成長し、「社会」というものに慣れていくにつれ、物事を『仕方ない』『どうしようもない』と諦めることが増えていったように感じられます。
恐らく多くの人もそうした部分は少なからずあるのではないかと思います。

確かに『諦める』ことは非常に大切ではあると思います。

しかし世の中に、『社会』に理不尽だと思える選択を迫られたとき自分の心に嘘をついてまで『仕方ないから』と諦めてしまっても良いのでしょうか

そしてそんな風に諦めることに慣れるのが『大人になる』ということなのでしょうか?

自分の心に嘘をつかずに言いたいことを言う、やりたいようにやる、それはまだまだ『子供』ということなのでしょうか?

僕は自分でもへタレ人間だと思うんのですが、いろいろな物事を「諦めなければならない社会」に例え慣れてしまっても、自分の本当にしたいことをする、主張するという「人としての強さ」を忘れたくないと、このゲームを通して強く思うようになりました。

そんな感じで、当時、高3で自分のやりたいことが見つからなくても、時間はどんどん流れて、否応なく選択を迫られて、周囲はちゃんと選択しているように思えて、それでも自分のやりたいことが分からなくて、「あー、もうなんか全部どうでもいいや。なるようになるだろ。」って風に軽く選択する事を放棄して軽く自暴自棄っぽくなっていた自分の目を覚まさせてくれた作品がこれです。

今の自分がダメだと思っていてもそこからどう抜け出せばいいか分からない、そんな人は是非プレイしてみてください。きっと何か指針を示してくれると思います。


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コメント

  1. 匿名 より:

    確かに、この作品の感想はその通りだと思います。非常に良い作品でした。エロゲどうこうにではなく作品の構成含め素晴らしかったです。エロゲにはエロゲのHシーンに意味がありますし。
    今後も作品紹介続けてくださると嬉しいです。

  2. 荻原祐也 より:

    コメントありがとうございます!
    車輪は良いですよね。
    こういうコメントは励みになります。
    ありがとうございました!

  3. 1エロゲユーザー より:

    管理人さんのレビューはかなり見やすくてありがたいです、いろいろ参考にさせてもらってます。
    僕もエロゲ初心者の時にこの車輪の国をプレイしましたが、それから何年、何十本とエロゲをやってきてまだこれを越える作品に出会っていません。
    もう5週くらいプレイしていますが、何回やっても感動するんですよね・・・。
    これからもサイト見させて頂きますのでがんばってください。

  4. 荻原祐也 より:

    コメントありがとうございます!
    そう言っていただけるとほんと嬉しいです。確かに、なんか僕も車輪は一年に一回はやりたくなります。今後ともよろしくお願いします!

  5. shinGR より:

    車輪の国について調べてたら偶然自己啓発本を見つけたのですが、エロゲを文学として取り扱っていてとても好感が持てました。
    こういう展開がエロゲの認識を変えていくのではないでしょうか。
    著書という形で世間に新しい形で広められることに私は気付かなかった。作品自体を本にするという奇を衒った行動も間違いではないかも。

  6. 荻原 より:

    コメントありがとうございます!
    僕は当時このゲームに感動しすぎてこの本を出したんですが、エロゲの認識を変えたいという想いとこの作品の良さの一つとして名言に着目したんですが、レビューにも書いてもらっている通り、振り返ってみても、まだまだ改善点がある状態で、あまりにも急ぎ過ぎたなあと今では思ってます。
    まあでも、おっしゃる通り、そういうものを世に出したっていう点は自分でも良かったとは思ってます。
    今はやってないんですが、いずれ自己啓発っていう観点からもエロゲの魅力を伝えるような活動したいと思ってます。

  7. ラビット より:

    はじめましてかな?
    G線から入った者でしてあまりこの作品の良さが分からないでいます。
    ぶっちゃけG線の方が新しいからG線の方が面白いと思ってるところもあります。
    序盤あたり(主題歌まではいかず)までやりましたが途中から退屈になり辞めてしまった記憶もあります。。。。
    しかし、るーすさんがツイッターでG線よりも車輪を進めてるので「そんなに良い作品なのかな?」と思ったり、G線ファンとしてはちょっと複雑な気持ちもあります・・・・

    P・S・管理人さんとはSNSで繋がりたいです!!!!←マジで!!

    あと、一人戦体験版はやりましたか???

  8. e5z6tau9 より:

    コメントありがとうございます!

    車輪が途中で退屈になってしまう気持ちはわかります。僕も車輪は既に3週していますが、1週目はけっこうダレながらやってた覚えがあります。

    引き込まれるような面白さで言えばG線の方が上で、車輪は面白い時は面白いんですが、波があるので、各ヒロインルート序盤は確かに割と退屈だったりします。

    僕も一周した時点では、G線の方が好きだったんですが、車輪の2週目やってみたら不思議と一週目よりやたら感動して記憶に残りました。

    G線のような序盤からどんどん夢中になれるような作品ではないんですが、僕的には最高の泣きゲーで、法月のとっつぁんのドSっぷりは必見です。(これも中盤くらいからなんですが)
    とりあえず、最初のさちルートだけクリアしてみてはどうでしょうか?

    それで全然感動しないし、つまらなかったら切ってしまってもいいかもしれません。流石にその前に切ってしまうのはもったいないかと。

    まあ、僕も一週目の最初の最初で「あ、このヒロイン好きかも。」と思った南雲えりちゃんが法月のとっつぁんに出番早々射殺された時なんか、若干やる気失せましたが。。。

    僕は基本的に体験版やらない人なんですが(先が気になってしまうだろうという理由)、いい感じですか?

    まあ、るーすさんの新作という事でもう買いは決めてるんですが。

    僕もリアルでエロゲとか語れる人が周りにいないので、そういってもらえると嬉しいです。

    僕は普段使っているSNSはツイッターなんですが、基本botですからね。。。一応返信したりも出来るんですが、本垢とかないので。
    lineはしてるんですが、これはSNSじゃないですよね・・・
    あとはgoogle+もアカウントありますが、最近放置状態です。

    ラビットさんは普段使ってるSNSは何がありますか?