ケロQ制作のゲーム「素晴らしき日々~不連続存在~」の感想、紹介記事を書きたいと思います。 プレイ時間目安:40~45時間
・感動・・・9
・ハマり度・・・10+
・キャラ・・・10
・音楽・・・10+
・CG、演出・・・10+
・総合・・・10
ネットで良いと評判のゲームなんですが、「鬱、グロ」というイメージがあってちょっと手を出しずらかったこの作品ですが、ちょっと勇気だしてやってみました。
ほんと、序盤(ほんとに序盤の序盤だけ)こそ退屈ではあるんですが、その後はかなり引き込まれる展開になってきます。
このゲームは電波、百合、狂気、いじめ、ドラッグ、自殺、レイプなどとっつきにくいネタが盛りだくさんで、いじめなんかはけっこうエグい感じで描かれてるので、グロはそうでもないんですが、読んでてキツい部分もあります。
伏線が多くてかなりはまるんですが、上のような理由で、プレイしてて明るく楽しい雰囲気はほとんど無く、読み進めるプレイヤー視点のキャラがいじめられる側だったり、根暗だったり、頭が少々イッちゃったり面白いんだけど、テンションはけっこう下がったりしてきます。
ただ、テンションは下がってくるんですが、暗い雰囲気の作品特有のなんだか病み付きになってしまうような面白さがあります。
物語の構成もとても緻密で、序盤での何でもないような設定や、キャラクターのちょっとした言動も、後で何らかの意味を持つようになっています。
途中までは分からない事だらけで感動はあまりしないんですが、内容がわかってくるラストの方はとても感動します。(といっても難解な作品だったので、完全に理解はできてないかも。)
また、この作品には哲学的な内容もいろいろと取り入れられていて、過去の偉人の言葉が多数引用されたりします。
特に「シラノ・ド・ベルジュラック」という偉人(小説・戯曲でもある)の名前は度々引用されていて、作品内で重要な役割を果たしており、僕はそちらは読んでもいなければ存在も知らなかったのですが、次回は読んでから再プレイするのも面白そうではあります。
物語の内容自体もけっこう難解なんですが、キャラのやり取りが哲学的で難しかったりもします。
ラストまで行くとけっこう謎は解消されるんですが、謎もけっこう残りました。
僕的には考察サイト見ないと厳しいレベルの難解さです。(これは二回目のプレイの方がさらに理解も増し、感動できる種類のゲームかもしれません)
また、この作品は各ストーリーでBADENDとHAPPYEND両方収録されてますので、BADENDの方は中々キツいんですが、HAPPYENDの方は、BADEND見た後だと凄い救われた感じがします。
ヒロインは皆いい子だし可愛らしいです・・・が、それだけにいじめとかレイプのシーンは中々堪えます。
まともでかっこいいキャラもいるんですが、大体のキャラがどこかしら病んだり狂ってたりしちゃうので、単純に萌えたりするのはちょっと難しい感じです。
実際にいそうないじめっ子、見ててムカツクようなキャラもけっこう多いです。(こういう部分もいじめの描写なんかにリアリティ出してます)
音楽はめちゃくちゃいいです。
BGMは美しいピアノ曲が中心で、不穏なシーンでのBGMも上手くて、かなり雰囲気を引き立ててます。
そして、ENDごとに違うEDテーマがどれもいいかっこいい曲だったり、不思議な曲だったりします。
サウンドトラックを買ってしまうほどに素晴らしい。音楽のクオリティの高さは間違いなくトップクラスだと思います。
中でも「夜の向日葵」という曲は個人的にはAIRの「夏影」と並ぶ最強の癒し系BGM↓
キャラ絵は可愛らしいし、背景の美しさも非常に素晴らしいです。
特に空のCGは本当に美しいです。
また、キャラの狂気の深さを演出するような文章も良かったですね。(完全にイッちゃってるってのがよく伝わってきました)
狂気、いじめ、ドラッグ、自殺、レイプなど、中々気軽にはとっつきにくいネタがあり、また哲学的で難解な物語で、万人にはおすすめし難い作品ではありますが、完成度は非常に高い作品です。
以下の要素を求める人には特におすすめ。
・鬱
・電波、狂気
・ハマる
・音楽が良い
・CG、演出が良い
・難解、考察しがいあり
OP↑
素晴らしき日々 〜不連続存在〜 ダウンロード版