PULLTOP制作のゲーム「遥かに仰ぎ麗しの」の感想、紹介記事を書きたいと思います。 プレイ時間目安:35~40時間
まず、このゲームは本校編と分校編でライターが違うので分けて評価したいと思います。
まず分校編↓
・感動・・・7
・ハマり度・・・7
・キャラ・・・7
・音楽・・・9
・CG、演出・・・8
・総合・・・7
本校編↓
・感動・・・10
・ハマり度・・・8
・キャラ・・・9
・音楽・・・9
・CG、演出・・・8
・総合・・・9
このゲームは純愛系です。
先が気になって仕方がないような驚きの展開とかが好きで、登場人物たちの心理描写なんかには興味が無いという人にはあまりおすすめできません。
では分校編からレビューしたいと思います。
本校編より少し評価を低くしている分校編ですが、こちらの方も話自体は本校編と比較しても良いです。
純愛系でそこそこ感動も出来ますし、キャラも可愛いです。ただ、気になる点が2点。
一つ目は本校編より主人公が若干へタレ気味でかっこよくないという点。
二つ目はやたら「これいらなくね?」っていう無駄にいちゃいちゃするシーンが多い、特にHシーンは大過ぎ(多いキャラは10回近くあります)、CGも使い回しですし。
「それはもう別にいいから話進めないの?」って感じになることが多かったです。
シナリオ自体は面白いのですが、こうした欠点もあると感じた分校編です。
次に本校編。
こちらは話自体も分校編より良いですし、分校編で挙げたような不満点も解消されています。
特に、こちらでは主人公の人としての魅力が目立ち、かっこよさを魅せてくれます。(もちろん、完璧超人ではなく、闇も抱えてはいるのですが)
無駄なシーンというのが無く、主人公とヒロインたちの心理描写もかなり緻密で、感情移入しやすいです。
主要キャラ紹介
・滝沢司
本作の主人公。一人称は「僕」。カナヅチで浮き輪が無いと泳ぐことが出来ない。
・風祭みやび(CV:北都南)
単純・短気・短絡的の三冠王。学院を創設した風祭家の出身。
その言動は一見ワガママに映るが、本人は理事長代理の義務を果たそうと必死。
・鷹月 殿子(CV:遠山枝里子)
非常に大人びており、
暴走するみやびを不機嫌にさせずに止められる数少ない人間の内の1人。
1つの事に囚われない、自由で大らかな性格。
・八乙女 梓乃(CV:佐本二厘)
おしとやかな大和撫子。しかし極度の対人恐怖症。
いつもおどおどと何かに怯えており、唯一心を許した殿子の影に隠れている。
自分から決断する事は少なく、常に周囲に流される。
・仁礼 栖香(CV:井村屋ほのか)
脳明晰な上に運動神経にも優れ、文武両道を地で行く優等生。
自分の感情をあまり表に出そうとしないため、クールな印象を与えることが多い。
超が付くほど生真面目かつ几帳面な性格であり、融通がきかない。
・相沢 美綺(CV:安玖深音)
屈託のない笑顔の似合う、天真爛漫な元気娘。
その明るく自由奔放に振舞う姿は、世間一般で言うところの『お嬢様』とは大きくかけ離れた印象を抱かせる。
・榛葉 邑那(CV:風華)
物静かで穏やかな性格を思わせる、眼鏡の奥の優しげな微笑がトレードマーク。
常に控えめで目立つことを好まず、自分の意見を主張することは少ない。基本的に物事を静観するタイプだがさりげなく思慮深い一言を投げかけることも。
ヒロイン達もはそれぞれキャラがちゃんと立ってるし、可愛かったです。また、脇役の割といい味だしてました。
個人的にですが、やはり心理描写が緻密で感情移入しやすいせいか、主人公、ヒロイン共に本校編の方が魅力的でした。
分校編、本校編、両方とも音楽は落ち着いた感じのピアノ曲が多く、ゲームの雰囲気にも合っていて良かったです。
CGは時代相応な感じですが、普通に萌える分には困らないくらい。背景はなかなか綺麗。
最初に言ったように、純愛系が苦手な人にはおすすめできませんが、以下の要素を求める人にはおすすめ。
・心理描写が緻密
・感動
以下の記事は私がこのゲームをやって考えたことです。(ネタバレは極力無し)興味がある方は是非読んでみて下さい。
このゲームの登場人物は主人公含め、ほぼ全てのキャラが「愛」に強く餓えています。
まあ、愛に餓えていない人なんて誰もいないとも思うのですが、やはり自分が愛している人に愛されていないというのはこの上ないほど悲しく、辛いことなのだと思います。
例えば、多くの家庭ではきっと子供のことを愛してくれると思いますが、このゲームの登場人物たちは、ほとんどが、愛されて当然と思えるような人たちに愛されていません。
自分が誰かを愛し、きっとその人も自分を愛されているという期待が裏切られたら、人間不信になってしまうかもしれません。
また、人の気持ちはどこまでも人の気持ちで、それを完全に自分の思い通りにするなんてことはできませんし、いくら「愛している」と言ってくれても、自分でそれを信じることができないなら意味がありません。
結局、何が言いたいのかというと、そんな不確かな「愛」「感情」ですが、私たちにできることは、それを少しでも自分にとって確かなものだと思えるように、その時の自分の本当の気持ちを大切にしていくしかないんじゃないかなあと、この作品をプレイしながら思いました。