暁ワークス制作のゲーム「ハロー・レディ!」の感想、紹介記事を書きたいと思います。 プレイ時間目安:20~25時間
・感動・・・10
・ハマり度・・・10
・キャラ・・・10
・音楽・・・9
・CG、演出・・・9
・総合・・・10
暁ワークスの最新作「ハロー・レディ!」。新作のエロゲでは一番期待していたのがこのゲームです。
購入する前にOPを見て、あらすじを読んだ時は「学園ラブコメっぽいな。」と思っていて、プレイし始める時もそのつもりで始めたんですが、、、、、、、、、正直かなり裏切られました。
ただ、がっかりしたんではなくて、いい意味で裏切られました。
ある程度読み進めると解ってくるんですが、ただヒロインと主人公が仲良くなっていちゃいちゃするような感じでのゲームありません。
バトルあり、策略あり、序盤から至る所に伏線がちりばめられていて、読む手を中々休ません。
共通ルートの、読者を引きつけるような終わり方は特に秀逸でした。
伏線を張りつつ、比較的穏やかだったストーリー展開が共通ルートから個別ルートになった時にがらりとシリアスな展開になります。
個別ルートは一応それ一つで完結という形になっていますが、一つ二つやってもまだまだ謎は残っていて、次のルートをクリアして真相を知りたい気持ちを刺激します。
また、非常に多くのメッセージ性がある作品で、プレイ中、様々なことを考えさせてくれました。(特に主人公の言動)
主要キャラ紹介
・成田 真理(CV:梅咲チャーリー)
本編の主人公。
スクールを統べるクラウンの六人目、また唯一の男性として、理事長・御門黒船に招かれてきた転校生。謎めいた過去と、圧倒的な実力を秘める。
何ものにも揺るがない、強い意志の持ち主。まるで世界が自分中心に動いているかのように振る舞うが、価値あると認めた者には敬意を払う。
・音無 朔(CV:遥そら)
スクールを統べるクラウンの筆頭。即ち、全学生の頂点であり、尊敬と畏怖を一身に集める “最もノーブルに近い” 少女。
転校してきたばかりの成田真理のエスコート・パートナー(案内役)を任命され、日々の行動を共にする。女王に相応しい、気高く、誇り高い少女。
・桂木 空子(CV:水崎来夢)
クラウンでは会計を務めている。開設されてまだ間もないスクールでは、朔と共に最古参メンバーの一人。
有名な資産家・桂木新山の娘。 お嬢様である。どういう理由なのか、普段から男装をしているが、振る舞いはいたって乙女。
・赤人 珠緒(CV:北見六花)
クラウンでは最も新しいメンバー。総務を務める。元はヤンキー少女であったらしく、素行がちょっぴり荒っぽい。
言葉遣いが悪いと、よく朔からお小言を喰らっている。運動面では天才少女で、実家に伝わる古武術らしき独特の格闘技を修めている。 その強さはまさに圧倒的。
・鷹崎 エル(CV:桜坂かい)
クラウンの最年少メンバー。書記を務める。かつて朔のキャバリエ (身の回りの世話をする役割) だったためか、現在でも “朔の騎士” を自認している。
冷静で、ほとんど無表情。 自称 “クラウン一の策士”。朔大好きで、朔は正しく、朔に敵対するヤツは死ね。
ストーリーについても申し分ないこの作品ですが、個人的にはこのゲームの一番の見所は「主人公の魅力」だと思います。
ヒロインもそれぞれキャラが立っていて、十分魅力的なんですが、主人公のキャラの濃さは半端じゃないです。
とにかく言動が清々しいほどにぶっ飛んでいます。
癖があり濃すぎるキャラは、見ていて不快になることもあるんですが、この主人公に関してはそれがなく、ぶっ飛んでいながら一本のぶれない芯が通っていて、「次、何をやらかしてくれるのか」と見ていてとても面白いし、かっこいいし、考えさせてくれるものがあります。
成田真理、この男には魅せられます↓
成田真理のかっこいい名言、一部紹介↓
「自らの行いで買う怒りであれば、私は、その全てを甘んじて引き受けるとも。」
「ルールに縛られぬ者が、ルールに守られるわけもない。それは必然だ。そして、その覚悟が私にはある。自らの信じるところを押し通す。及ばざれば、いつなりと野垂れ死ぬ。それだけのことだとも。」
音楽も何気にかっこよかったです。とくにBGMが良かったです。
安定して好きな絵ですが、遡って「コミュ」あたりと見比べてみると、キャラ絵、背景ともに段々綺麗に、というか見やすくなってると思いました。
演出も良くなってきてると思います。バトルシーン自体ははそんなでもなかったですが、共通ルートの終わりの時と、あといくつか、ドキッとさせてくれる演出があったのが良かったですね。
あと、コミュ、るい智に続き、異能を発現させる時の演出も段々洗練されてきて、けっこうテンション上がります。
感動の面で言うと、「るいは智をよぶ」の方が上だと思いますが、引き込み度、キャラの魅力と全体的には暁ワークスの中で一番の傑作だと思います。
以下の要素を求める人には特におすすめしたい作品。
・主人公最強
・ハマる
・メッセージ性が強い
OP↑
いつの間にか、続編も出たようで、続編と本編セットも出てます↓
補足ですが、ちなみにエロは薄いです。
以下の記事は私がこのゲームをやって考えたことです。(ネタバレは極力無し)興味がある方は是非読んでみて下さい。
いろいろと深いメッセージ性があった今作ですが、一番印象に残ったことは、「犠牲」と「罪」です。
突き詰めれば、私たちは自分のため、自分の大切なもののために、他の誰か、何かを殺しているという残酷な事実があると思います。
例えば、エロゲを買うお金がなくて、割って無料でやっている人やばれないからといって食い逃げを繰り返す人がいるとします。
その人はどうしてもエロゲをやりたい、腹が減ったからごはんを食べたい、でも買うお金が無いから仕方ないから盗む、そんな繰り返しが、そんな自分一人だけと思えることの積み重ねがそのゲーム制作や飲食店に携わる人の人生を壊したり、長い目で見れば殺す事に繋がらないでしょうか?
僕自身の例ですと、僕は盗む事はしていませんが、服装に全くと言っていいほどこだわりが無く、「それにお金を払う余裕もないからただで済むならそれで済ませよう」という考えの人間です。
もし、誰もが僕と同じような考えで、服装に全くこだわりが無く、お下がりばかりで服を買わなかったらその仕事に携わる人々はどうなるでしょうか?
「誰もが自分の生かしたいものを生かし、興味が無い、大切でないものを殺している」これはこの世の一つの真理だと言えると思います。
そして、それは間違いなく「仕方がないこと」だと思います。
しかし、「仕方がない」と割り切るからいって、決して忘れていいものではなく、「自分のために、今まで何を犠牲にしてきて、これからもそうし続けるのか。」そのことをしっかり心に刻むこと。
ただ、前進するのでなく、「これまで生きてきた道で背負ってきた罪を忘れないこと。」そのことの重要性、それこそが人間をより人間足らしめるということをこの作品を通して、私は強く教えられた気がします。