タース・エンターテインメント制作のゲーム「図書室のネヴァジスタ」の感想、紹介記事を書きたいと思います。 ※全年齢版のみ、プレイ時間目安:35~40時間
・感動・・・9
・ハマり度・・・9
・キャラ・・・7
・音楽・・・10
・CG、演出・・・8
・総合・・・9
ネットサーフィンしてたらたまたま見つけたこの同人ゲーム「図書室のネヴァジスタ」。
一言で言えば、とても面白い作品でした・・・が、大きな注意が必要です。
プレイしながら、「あれ、なんか男キャラばっかでてくんなぁ。」と思ってんですが、、、、、、、、、、男しか出てきませんでした。
「あれー?」と思ってちょっと商品説明ちゃんと見てみたら、
「女性向け学園サスペンスノベルアドベンチャー」
と書いてありました。つまりそういうことです。
乙ゲーではあるんですが、エロいシーンはありませんし(あっても困るんですが)、エロゲーマーの僕でも普通にプレイできる感じではあります。(ただ、プレイしてて立ち絵が全員男っていうのはやはり違和感はありましたが)
「女の子いないのかよ!?」という意外な事実に、序盤から若干テンション下がり気味で臨んだこの作品ですが、「キャラ萌え」という要素が一切無くなったにも関わらず、読み進める手が中々止まりませんでいした。
序盤から既に事件は発生していて、伏線だらけで謎が謎を呼ぶ感じで最後まで突っ走ります。
槙原渉と津久居賢太郎という主人公二人の視点で、交互に幽霊棟の学生達5人との関係を描れるんですが、読み進め、真相に近づいていくほどに、二つの視点が段々繋がっていくという流れがとても面白い。
話自体は割と重苦しく陰鬱な内容なんですが、鬱になるというよりか、切ないながらもどこか懐かしいとような気持ちになる作品でした。
真相が見えてくるラストは中々に深いメッセージ性もあり、考えさせられました。
キャッチコピーに
「───あなたは、望んで大人になりましたか。」
とあるんですが、「大人になること」について深く考えさせられましたね。
上で書いたように、全員「男」なので、「萌え」なんかありませんし、目立ってかっこいいキャラというのもいませんでした。
序盤なんかはなんだか、女々しいというか、うじうじしてるというか、
「言いたいことあるならちゃんと言えや。」
って思うシーンがけっこうあります。
まあ、後になってくると、その理由もわかりますし、キャラたちに対する印象も結構よくなるんですが。
みんなそれぞれいい奴だったり、いい奴なんですが、インパクトのあるキャラは特にいなくて、やっぱ1エロゲーマーとしては女の子キャラがいないのは中々に悲しいというのが改めてわかりました。
音楽は、かなりいいです。
ピアノが中心なんですが、BGMは美しい曲が多いし、シーンの雰囲気にもかなり合っるし、歌もいい。
ゲームBGM集↑
絵柄は、かなり特徴的。悪くみれば、「雑な絵」にも見えるかもしれませんが、「独特な味がある絵」にも見えます。(個人的にはキャラ絵はそうでもないんですが、背景は好きです)
演出は上手かったです。
BGMは場面にぴったりですし、重要なシーンで入る歌はよりそのシーンの雰囲気を引き立ててました。
何回も言ってますが、「登場人物は全員男」ですので、その点を踏まえて購入をご検討した方がいいと思いますが、非常に面白い作品であることは確かだと思います。
乙ゲーであることも考慮して、以下の要素を求める人にはおすすめ。
・メッセージ性が強い
・音楽が良い
・ミステリー
気になっている人は体験版もありますので、よろしければどうぞ↓
http://www.tarhs.com/nevdl.html
後、ENDの数がけっこう多いので、攻略サイトを参考にすると攻略しやすいかもしれません。サイト数は少ないんですが、僕は以下のサイトを参考にしました↓
http://arioso.jp/wp/data/4082
以下の記事は私がこのゲームから考えたことです。(ネタバレは極力無し)興味がある方は是非読んでみて下さい。
このゲームの「貴方は望んで、大人になりましたか。」というキャッチコピー。
「大人になる」ということはどういうことだと思うでしょうか?
20歳になれば大人とか、年齢だけ見て「大人」とする考えもあるかもしれませんが、私は、物心つき、「自分が生きている社会の汚い部分を知り、自分もそんな社会の歯車の一員であることを自覚し、その中での自分の在り方を決めた時」こそが真に「大人になった」ということだと思います。
大人になれば、状況に合わせて、大抵本音と建て前を使い分けるようになると思いますし、必要なら嘘だってどんどん吐くようになると思います。
子供から見れば「汚い!あんな大人になりたくない!」というように思ってしまうようなことをしなければならないこともあるでしょう。
「では汚れなければいいのか?」と言えばそういうことでもないし、そもそもどの方面から見ても清廉潔白であることは不可能だと思います。
しかし、「ならどんなに汚いことをどんなにしたっていい。」なんてこともありません。
重要なのは「どう汚れるか?」「どこを汚さずに綺麗に保つのか?」ということを自分で決めることでしょう。
そして、大人の「ある程度汚れてしまうことを許容する心」子供の「汚いことを許さない心」。
この相反するような二つの心をどちらか片方に傾き過ぎてしまわず、持ち続けることがより良い「大人」なのではないかと思います。