ねこねこソフト制作のゲーム「スカーレット」の感想、紹介記事を書きたいと思います。 ※PS2で全年齢版あり、プレイ時間目安:15~20時間
・感動・・・9
・ハマり度・・・9
・キャラ・・・8
・音楽・・・8
・CG、演出・・・8
・総合・・・8
ねこねこソフトさんの最終作とされたこの「スカーレット」。
シナリオは一本道で結構短いです、割とあっさりと終わってしまった感がありますが、面白かったです。
ストーリーについてですが、スパイものということで、最初はニトロプラスの「PHANTOM OF INFERNO」のような感じで結構「ドンパチがあったりして熱い展開かなあ」と思いましたが、違いましたね。
ストーリー中でキャラも実際言っていますが、基本、銃でドンパチとやり合ったりというのはありません。
ですからそういう展開を求めていた方からすれば期待外れに感じてしまうかもしれません。
熱く盛り上がる展開というのはありませんが、メッセージ性があり、深く考えさせるものがある物語になっています。
ストーリーに関しても、登場人物たちの関係、背景がどんどん明らかになっていく様子は見ていて引き込まれるものがあり、また熱く盛り上がる展開というのはありませんが、「道徳」「倫理」といったことを深く考えさせられる展開になっています。
選択肢はあるのですが、キャラ分岐はなく、一本道なので通常のエロゲと少し違い、まるで映画をみているような感じがしました。
このゲームは主に二人の主人公で、頻繁に視点が切り替わります。
個人的にこの視点を頻繁に切り替える手法は割と好きです。
視点を頻繁に切り替える手法もそうですが、物語の内容で考えさせられたものもコットンソフトの「レコンキスタ」と通じるものがあります。(絵もおそらく同じ人)
音楽はシリアスなシーンに流れるBGMが良かったです。
グラフィックは相応の時代は感じさせますが、古臭いという程でもないでく、特に気にならないレベルです。
あまり知名度は高くないかもしれませんが、隠れた名作だと思います。(個人的には感動の面ではレコンキスタの方が上かなというところ)
バトルシーン、で熱く盛り上がる展開を期待している方、物語のボリュームを求める方にはあまりおすすめできませんが、以下の要素を求める人には特におすすめしたい作品。
・メッセージ性が強い
以下の記事は私がこのゲームをやって考えたことです。(ネタバレは極力無し)興味がある方は是非読んでみて下さい。
この作品のテーマは「日常と非日常の境界線」です。
がしかし、個人的には物語中で考えさせられた人としての「倫理、道徳」といったことについての方が考えさせられたのでそちらの方を詳しく書こうと思います。
物語中、こんな言葉が出てきました。
「大切な人の命を救うためなら、、、人が神を超えても、許されると思うかね?」。
ここで彼が何をしようとしてこの言葉を言ったかを明かすと(ネタバレと言えばネタバレですが、書かないと書きづらいんで、書きます。未プレイの人は引き返しておいた方がいいかもしれません。)
それは「人クローン」。
クローンと言えど、それを生み出したなら私たちと同じで泣いたり笑ったり怒ったりする「人」です。
その一つの命を「自分の大切な人の命を守るためなら勝手に生み出して、勝手に扱うことが許されるのか?」
個人的には「許されない」と答えたいところです、、、、が、もし仮に私にどうしても私には救いたい人がいて、救うためにはそれをするしかなく、私にそれをすることができる力があったとしたら、、、、私は同じ解答が出来る自信はありません。
「大切な人のためなら、命を操作するようなことが許されるのは?」そんな一概に答えを出せないようなことを考えさせられた作品です。