暁ワークス制作のゲーム「るいは智を呼ぶ」の感想、紹介記事を書きたいと思います。 プレイ時間目安:40~45時間(FD入れると+20時間)
・感動・・・10
・ハマり度・・・9
・キャラ・・・10
・音楽・・・8
・CG、演出・・・8
・総合・・・9
この「るいは智を呼ぶ」ですが、女装もののエロゲがやりたいと思ってて見つけた作品です。
どちらかというとキャラ萌え重視系の作品だとシナリオは想像以上に深いし、感動しました。
ボリュームもFD入れて相当のものですし、(50時間以上はかかるかと)やりごたえも十分です。
ストーリー序盤は、急激に引き込まれる展開というのはあまりないんですが、キャラ同士のやりとりが面白いのであまりだれずにさくさく読めました。
伏線も非常に多く、けっこう考えながらじっくり読まないと謎がいっぱい残るかもしれません。
扱っているテーマは非常に深く、プレイ後にとても考えさせるものがあります。
ラスト(FDの)の主人公の決断はほんと感動しました。必見です。
コミュに続き、今作も文章は非常に癖があり、言い回しとかすごい独特です。気になる人は気になると思いますが、僕は割と好きですね。
主要キャラ紹介
・和久津 智(CV:佐本二厘)
主人公。同盟の発案者。学園の二年生。文武両道、品行方正な優等生として、下級生の少女たちの「憧れのお姉さま」である。
実は「男の子」――死んだ母の遺言で、嫌々ながら(本人談)性別を偽って生活している。
学園では猫をかぶってクールを装うが、捨て犬を見つけると口では拒んでもずるずる飼ってしまう性格。清楚な外見に似合わず、必要とあらば手段を選ばない。
・皆元 るい(CV:有栖川みや美)
智の一個上の三年生。智と学園は異なる。特定住居を持たず、廃墟などを住処に渡り歩く、バイタリティな生活をしている家なし子。
行動的だが刹那的、情には厚いが飽きっぽい、趣味は多芸だが続かない。スイッチが入ると周りを振り切って突っ走ったあげく、走っている理由を忘れてしまう典型的な特攻隊長。
・花城 花鶏(CV:天乃そら)
地元有名お嬢様校の二年生。ロシア系クォーターで銀髪と青い瞳の美少女。とにかく目をひく外見と高慢すれすれのプライドの持ち主。
必要とあらば勤勉にも真面目にもなるが、興味のないことには徹底して最低限の労力以上を割かない。思ったことは歯に衣着せぬタイプ。
・鳴滝 こより(CV:鷹月さくら)
智より四つ年下のメンバー最年少。当然学園は違う。いじられマスコット担当。智を「センパイ」と呼んで慕う、パシリ兼忠実な犬。常にテンション計振り切り気味の元気さを発揮する。
本質的に誰にでもよくなつく小動物気質だが、対人関係での駆け引きは苦手で思慮に欠け、厄介がられることも少なくない。
・茅場 茜子(CV:桜坂かい)
智より二つ年下。無表情な容姿と外見からは陶器の置物めいた印象を抱かせるが、実のところ、淡々と毒を吐く毒舌少女である。
表情が変わらないため何を考えているのかわかりにくく、ボーッとしているだけかと思えば、案外腹黒い一面もある。メンバーでもっとも掴みがたいキャラ。
・白鞘 伊代(CV:小手島ひばり)
県内進学園の二年。成績は優秀で、奨学金で通っている。人に合わせるのが苦手であり、孤独を好む。反面、他人をほっておけない性分で、困っている相手には手を差し伸べ、ボケられるとツッコミまずにはいられない。
ポケ○ン映画でも泣くほど涙もろく、お人好し。智あたりに言わせれば「委員長気質の、いいやつ」である。自分に厳しく、他人にも厳しい。
ヒロイン達もキャラはしっかり立っていて、魅力的なんですが、この作品はなんといてっても主人公が最高です。
主人公が女装をしているという設定なのですが、、、、、、、、めっちゃ可愛いです、主人公。
個人的にはヒロインみんな合わせても、一番可愛い。
謙虚でありながら、いざという時は何気に男前で頼りになるという、外見、内面ともにパーフェクトで、人徳が半端じゃなくて、ほんとに聖人君子で最高な主人公です。
また、そんな和久津智さんの人徳溢れる、深い名言がめちゃめちゃ多いです。
一部紹介↓
「 うじうじ悩むより、今を楽しむのが和久津流。今が楽しくなくて明日を楽しくできるはずがない。」
「僕らの決断。そこに不安がないわけじゃない。未来はいつもわからない。わからないから希望を抱ける。未来への怖れ以上の期待がある。それだけを胸に歩き出す。」
「世の中には忘れてしまった方がいいことだって沢山ある。心を押し潰されてしまうこともある。でも、僕は覚えていようと思う。それは全部、僕だから。」
一人だけで名言集が出来そうなくらい多いです。(メモしたので30くらいあった気がします)
OPとEDがとくにいい。ラストでの感動シーンで流れた曲は最高だった。
特筆することはあまりないんですが、キャラ絵は「コミュ」の時よりけっこう綺麗になった気がしますね。
演出も、技発動!って時の演出がかっこよくなった気がします。
最初はキャラ萌え目当てでしたが、普通に完成度が高く、面白い作品です。
以下の要素を求める人には特におすすめしたい作品。
・感動
・メッセージ性が強い
・主人公最強
・文章が独特
OP↑
ちなみにこれは「るいは智を呼ぶ」とファンディスクである「るいは智を呼ぶ -明日のむこうに視える風-」を合わせたレビューになっています。
通常、ファンディスクというと「おまけ」という感じがしますが、この作品については「完結編」と言った感じですので、「プレイは必須!」と言いたいです。
以下の記事は私がこのゲームをやって考えたことです。(ネタバレは極力無し)興味がある方は是非読んでみて下さい。
「呪い」なんて言葉は、私たちが生きている日常とは無縁なものな気がしますが、このゲームでは繰り返し「この世界は呪われている」「みんな呪われている」という表現が出てきます。
ただ聞いただけでは「呪い?意味わかんね。」と思う方が多いと思います。(私もこのゲームをやっていなければそう思ったでしょう)
言い換えるとこの世界の、人間の不可解さ、残酷さ、醜さ、といったものをこのゲームでは「呪い」としているのだと私は思いました。
例えば「人を信じること。」これは口で言ったり、一時的にするのはとても簡単なことだと思います。
しかし、「人を信じ続けること」は非常に難しいことだと思います。
現実ではどんなに相手を信じていても、思ってもみない裏切りをされたりすることも多いと思います。
しかし、それは仕方のないことであると思います。何故なら、「人には人それぞれの事情、考えがあるから」です。
自分からは「裏切り」に思えてももしかしたら相手はそんなつもりはないかもしれません。
また、信頼に応えたいと思っていても、それ以上に大切な何かがあり、裏切るのかもしれません。
「人と人が解り合う」というのは本当に難しいことだと思います。
しかし、「一度裏切られたから」「一度解り合えなかったから」と言っても生きていく以上、人と関わらずにはいられないと思います。ゲーム中、主人公は繰り返し「呪われた世界をやっつける」という言葉を繰り返します。
それはつまり、呪われた世界、残酷で、救いがないような世界に立ちむかって行こうとするということ。さっきの「信じること」の話なら、一度でだめなら二度、二度でもだめなら三度「信じる努力」「解り合う努力」をするというような努力をすること。
そのことの大切さを、私はこの作品を通して深く感じました。