5pb.制作のゲーム「DUNAMIS15」の感想、紹介記事を書きたいと思います。 ※全年齢版のみ、プレイ時間目安:35~40時間
・感動・・・8
・ハマり度・・・9
・キャラ・・・8
・音楽・・・8
・CG、演出・・・9
・総合・・・8
「STEINS;GATE」「CHAOS;HEAD NOAH」の 5pb.が手掛ける、新機軸のサスペンス・フィクションADV、ということで「これは面白そうだな。」と思い、購入した「DUNAMIS15」というゲーム。
最後までプレイしてみての感想は、、、、のめり込むほどの引き込みはなかったが、設定面白いし、テーマも深いし考えさせられるものがあり「面白かった」です。
このゲームは、ストーリーが進めば進むほど、引き込み度、感動、キャラの魅力も増してきますが、前半部分は、日常部分でだれたり、キャラもへタレ気味だったり、かっこ悪かったり、精神的におかしかったりするので、本当に面白くなってくるまである程度耐える必要があるかもしれません。
強烈な衝撃とか感動はあまりしないんですが、深いテーマで、深いメッセージ性があるストーリーでした。
主要キャラ紹介
・高槻 東吾(CV:東地宏樹)
第1章主人公であり、本作のメイン主人公。特に鍛えているわけではないが、大柄で屈強な肉体の少年。
学園の卒業を半年後に控えているが、自分の将来に対して実感を持てず、いまだに希望進路を描くことができずにいる。そのために当初は無気力な性格の面倒臭がり屋だった。日ごろの生活態度はだらしない。
・倭 一花(CV:島本須美)
第2章主人公。女子の委員長を務める優等生。陰ではいろいろと努力をしているようだが、表向きはあくまで優雅に振舞っている。
誰に対しても社交的に振る舞っているが、それらは表面上のものであり、内面は傲慢で自己中心的にして大の人間嫌い。
・後藤 眞波(CV:丹下桜)
第3章主人公。騒がしいほど元気な少女で、友人一同のムードメーカー的存在。お気に入りの東吾のことを「デカくん」と呼んで、積極的にアタックしている。
だが、それは恋愛感情でなく、自分の過去の恋人の面影を彼に見ているのに近い。寂しがり屋であり、皆と一緒にいることを強く望んでいる。
・陸 七生(CV:鈴木裕斗)
第4章主人公。女子寮に潜り込んで遊ぶほどのプレイボーイだが、誰かひとりの女子を特別扱いはしない。
軽薄そうな態度の裏で、周囲の出来事を冷めた目で観察している高い知性の持ち主。
・世津 茅早(CV:茅原実里)
第5章主人公であり、本作のメインヒロイン。小柄なアルビノの少女。
日本から転校してきた今年のペリフェリエスだが、無口で周囲に関心を示さず、クラスに溶け込まないままでいる。本作の「日本」で特に立場が弱い「セル」の住人である。
ループものではあるのですが、それのトリックや伏線も楽しめないことはないのですが、それよりも各キャラクターの緻密な心理描写がメインだと思いました。(個人的にここがこのゲーム一番の魅力かなと)
ストーリーが進むにつれ、各キャラの内面の問題が表れてきて、それを乗り越え、お互いの絆を深めていく様子は、とてもいい話で感動できます。
ただ、章ごと、ループごとに、視点が切り替わるので、それぞれのキャラクターが好きになれるか、共感できるかどうかで、このゲームを楽しめるかどうかは大きく変わってくるかもしれません。
音楽はBGM、OP、EDとどれも中々良かったです。
絵はさほど「萌えー」って感じじゃないです、でも萌えるんですけどね。CGは綺麗です。
演出については、上でも書きましたが、キャラクターの心理描写が非常に緻密なので、場面場面で感情移入しやすかったところが良かったですね。
神ゲーとはいいませんが、全体的に高い完成度になっていると思います。
以下の要素を求める人にはおすすめしたい作品。
・心理描写が緻密
・ループもの
・メッセージ性が強い
PV↑
ちなみに人はよく死にますが、グロ要素は全然ないに等しいです。
以下の記事は私がこのゲームから考えたことです。(ネタバレは極力無し)興味がある方は是非読んでみて下さい。
このゲームを通して考えさせられたのは、現実でも割と問題視されている「人クローン」における「倫理」だとか「人権」という問題です。
人クローンの技術を活用すれば、このゲームであったように医療の問題や(臓器提供など)、少子化などの社会問題の解決にも大いに役立つかもしれません。
しかし、「勝手に生命を創り出したり、殺したりなど、人の生命を操作することが人として許されるのか?」ということがある思います。
私も「人クローンはやめた方がいいんじゃないかな、、、」とは思いますが、もし私に本当に大切な人がいて、その人を人クローン技術を使えば助けることが出来、私にその力があったとして、私は先と同じ答えを出せるか、と問われれば正直、わかりません。
今は「人クローン」なんて、私たちの日常とは縁遠いテーマかもしれませんが、今後より身近な問題になることもあるかもしれません。
「正しいか間違いか」とか「善か悪か」ということより、自分はこの問題についてどう考えるかが何より大切で、それを深く考えるいいきっかけになった作品でした。