SORAHANE制作のゲーム「AQUA」の感想、紹介記事を書きたいと思います。 ※プレイ時間目安:25~30時間
・感動・・・9
・ハマり度・・・9
・キャラ・・・8
・音楽・・・10+
・CG、演出・・・10+
・総合・・・10
4年ぶりくらいに再プレイしましたが、やっぱ面白い、 隠れた名作です。
処女作とはあらゆる面において 処女作とは思えないクオリティ です。
ヒロインは3人、物語は三部構成になっていて、1部が共通ルートと各ヒロイン3人のルートになっていて、2部、3部はメインのルートになっています。
序盤からいきなり大きな伏線が張られますし、日常シーンの中にも、ちらほらと先が気になる伏線が張られ、その後の展開にかなり期待させてくれます。
1部だけでも「けっこう面白かった。」と言えるくらいの良作なんですが、 この作品の本気は2部からです。(一部は凛、奈々璃の順番は自由で大丈夫ですが、千紗は最後にしましょう。流れ的にそうした方が楽しめます)
シリアス度、ハマり度がぐんと上がります。内容も深くて重くなってきて、考えさせられます。
また、それ程難しいという訳ではないんですが、2部から何が何にどう関係してるのか、など中々 頭使って考えさせられる展開もあります。
まあ、とにかく1部で「退屈だなー。」とか思っても、2部までは読んでみて下さい。
僕的には3部より2部が一番盛り上がって感動しましたね。(2部だけで点数つけるなら感動、ハマり度共に10ですね)
「命」「科学の発展と犠牲」といった重いメッセージ性もあり、シナリオゲーを求める身としてもかなり楽しめました。
また、本編クリア後、おまけシナリオが10話解放されますが、こちらも是非読んでください。これを読んでこそ本当の完結と言えます。
主要キャラ紹介
・鳴海颯太
主人公。頼みごとを断れない性格だが、頼まれた仕事はしっかりとこなす。人の気苦労を一身に背負っている。
・野々宮千紗(CV:雪村とあ)
控えめでやさしい、颯太の幼馴染み。
料理が得意だが、時折とんでもない料理を作ることもある。誰にでも愛される少女。
・南凛(CV:桜川未央)
天真爛漫で天の邪鬼なクラスメート。
噂や流行に敏感。容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能と能力は超人的だが、胸が少し小さいのが悩み。
・月代奈々璃(CV:みる)
物静かで他人と触れ合おうとしない小さなクラスメート。
思いついたことを誰の目も気にしないでやってしまう癖がある。
・柊木なずな(CV:まきいづみ)
全学園の男子のあこがれの的であり、颯太たちのクラス担任。謎が多い人物。
キャラはこれといった癖もそんなになく、全体的に好印象を持ちやすいです。(逆に、とびぬけて濃いキャラもいないんですが。)
強いて言うなら主人公のお母さんを筆頭にヒロインでない、女性キャラのスペックが非常に高いのは特徴です。
頭も切れる上に戦闘においても前線で戦うという、とても男前でかっこよかったりします。
特に主人公の母、智恵さんは「美人の母親」っていう設定のキャラは良く見ますが、 頭脳、戦闘力、価値観と稀に見るハイスペックお母さんです↑
音楽は非常に良かったです。神レベルと言っていいです。
BGMは癒し系のピアノ曲が多く、とてもクオリティが高いんですが、 OPはもう最高にかっこよくて惚れました。後に貼ってあるので聴いてみて下さい。
BGM↑
エロゲのOPなら個人的には最高峰でした。
4年前の作品ですが、 CGはめっちゃ綺麗で、特に背景が良くて、その美しさに見惚れる事もしばしば・・・タイトルの「AQUA」から連想させるような、水とか青とか爽やかな印象を受けます。
キャラ絵は特別良いって感じでもないんですが、 ほんわかしているというか、どちらかというと癒し系な絵柄で割と好きです。
シナリオの区切りで第1話、第2話って感じでタイトルが出るっていう演出はちょっとアニメっぽくて面白かったです。
かなり前にやってから久しぶりの再プレイとなりましたが、やはり面白かったです。
音楽、CGは凄いクオリティ高いし、シナリオは上でも言ってますけど、2部は最高です。
キャラや文章もあまり癖もなく、万人におすすめしやすい作品です。
特に以下の要素を求める人にはおすすめしたい作品です。
・音楽が良い
・CG、演出が良い
・近未来、SF
・感動
・メッセージ性が強い
OP↑
以下の記事は私がこのゲームから考えたことです。(ネタバレは極力無し)興味がある方は是非読んでみて下さい。
今作で考えさせられたのは、上でも少し書きましたが 「命」「科学の発展と犠牲」といった現代に生きる僕達にも密接に関わっている事柄です。
少し考えればわかる事ですが、 僕達の平和で衣食住満ち足りた生活というのは多大な犠牲の上に成り立っているのは厳然たる事実です。
豚や牛、魚を殺し、食用の肉となり、それがスーパーなどに並び、僕達はそれを売り買いし、食べて生きている訳ですから。
研究者や科学者は、世の中をより良く、人を助ける為に新しい薬や技術を生み出す為に、多くのマウスを実験で殺したりもするでしょう。
研究者や科学者、屠畜場で働く人などは「命を奪う」という行為の生々しさを直に感じているでしょうから、「命の重さ」というものを誰よりも感じている人が多いと思います。
僕だったら多分、気が狂うか、鬱になって、到底続けられないでしょう。
しかし、こうしたメッセージ性のある物語に繰り返し触れることで、 「命の重さ」を想像することは出来ます。
僕は普段から思っていることなんですが、僕は飲食店などで自分が頼んだものを平気で一杯残すというのが嫌いです。
どう繕っても、 僕達人間は自分たちが生きていく為に他の生物を殺しているのは事実で否定なんかできるはずもありません。
僕自身、いざとなれば自分が生き残る為なら他をいくらでも殺し続けるような存在かもしれません。
しかし、それでも 「皿の上に並んだ食べ物は食べられる為に存在」しているハズで、それを 捨てるという事はそのもとにあった「命」を価値の無いものとするのと同義だと思うんです。
「自分で食べる」と決めた以上、そこにある食べ物には責任を持つべきではなのではないかと常々考えてます。(まあ、食えない程不味いとか、アレルギーとか、無理なものは無理ではあるんですけどね)
分かりやすい食べ物でなくとも、薬とかも、何でも、何かがあるという事はそれの元になった「命」があってもなんら不思議ではありません。
所詮、自己満足に過ぎないですが、やはりこういうメッセージ性の作品に触れるとそんな事を考えてしまいますね。