FrontWing制作のゲーム「果つることなき未来ヨリ」の紹介、感想記事を書きたいと思います。 ※プレイ時間目安:20~25時間
・感動・・・7
・ハマり度・・・8(一章は10)
・キャラ・・・8
・音楽・・・10
・CG、演出・・・10
・総合・・・8
まず世界観が面白いですし、非常にスピード感があって、序盤から読者をグイグイ引き込ませるシナリオになってます。非常に面白い事は確かなんですが、スピード感があり過ぎるというか、割とビジュアルノベルでは珍しい感覚なんですが、よくアニメで見られる
「面白いんだけど細かい所を省き過ぎ。」
といった点が結構見受けられます、後になればなるほどに。キャラの心情とかもそうですし、話の流れも、割と重要だと思うようなところも「こういう事がありました。」と文章で済ませてしまっていたり。
「もうちょっと掘り下げて欲しかった。」「もうちょいゆっくりでもいいんじゃ。」
なんてことをプレイ中に思ったりしました。後は、グリザイアシリーズはギャグとシリアスのバランスを上手くかなとは思いました。シリアスなシーンに無理やりギャグ入れようとし過ぎと言うか、ギャグも入りながらいきなりシリアスな感動シーンみたいな流れにされても感情移入できないしついていけないというか。。。
まあ、なんか文句ばっか言ってますが、それでもシナリオの大筋が非常に面白いのは確かで、序盤である第1章に関してはめちゃめちゃ面白かったです。引き込み度はグリザイア以上でした。
しかしその後がなんとも・・・伏線もちゃんと回収できてない気がしますし、「なんかスタッフのみなさんはものすごく急いでいたのかな・・・?」というのを感じました。
主要キャラ紹介
・三森 一郎
日本海軍 二等飛行兵曹。 幼くして両親を亡くし、軍人となる。生まれて来た意味さえも戦争に食われ、戦うことでしか生きることを許されなかった。
ワケも分からず砂漠で力尽きそうになっていたところ、ユキカゼに助けられる。
・ユキカゼ(CV:かわしまりの)
竜族の国・アークジーンの第一王女で、無政府領土防衛民兵団・バラウールの総大将。
王族の姫として生まれてきたがゆえ 世俗に疎い面はあるが、好奇心は旺盛。
・アイラ(CV:清玉澄加)
キャラバンの副代表で、犬族(ルルカリオン)の戦士たちを束ねる立場にある。
昔、戦争で孤児になったところをキャラバンに拾われて10年、今ではかなりの古参。
・メルティナ(CV:三枝もこ)
絶滅が危ぶまれる人魚族が治める街・アクラーで暮らす人魚の少女。
6年前のヴィスラ公国による “アクラー襲撃” 以降、族長の侍女として働いている。
・リア(CV:芹園みや)
出生不明のゾンビ。 死霊魔術師・オゾスに奴隷として従事している。
見た目は幼いが、ゾンビ化してからは一郎よりも長くこの世界を生きている。
主人公はグリザイアシリーズでの稀に見る最強主人公である風見雄二にも似た、軍人な主人公です。戦時中の現役なので、軍人度的にはこちらの方が上ですが、ズバズバと何でも言う口調はかなり似たところがあります。
後は、雄二はけっこうクールでしたが、割とこっちの方が粗暴というか、やんちゃな感じです。見ていて面白いという意味ならどちらにも共通します。
ヒロイン達は可愛いしキャラも立ってるはいるのですが、各ヒロインそれぞれの話が終わるとものすごく空気になってしまうのは残念でした。
まあ、グリザイアも個人ルートに入れば、その他のヒロインはあんまでなくはなりましたが、たまーに出てきて「あ、ちゃんといるのね。今はそういう感じなんだ。」という風に、出番が少ないだけでちゃんと「いる」と分かった気がするんですが、ここまでぱったりと出てこなくなると、最早「故人」にでもなってしまったかのような感覚になってしまいました。
ちょっとした日常シーンにでも「あ、ちゃんといるのね。」と確認が出来ないというのはその中にいくらか気に入ったヒロインがいるとなおさら悲しいというか寂しいもんです。強くてかっこいいアイラと、Hで可愛くてさっちんを彷彿とさせるメルティナはキャラ的には気に入ってます。
BGMは松本さんやピクセルビーなので、もうわかってましたが、むろんとても良かったです。ここは安心のクオリティでした。
ゲームにボーカルコレクションがついてきましたが、個人的にはOSTの方が欲しくて、発売しないのかなという。
CGはすごく綺麗です。キャラ絵はもちろん、特に背景が綺麗というか、緻密というか。。。最近のはほんとどんどん綺麗になっていくので凄いですね。
また、立ち絵ではなく、背景の一部にキャラをチップのように小さく潜り込ませてたのは面白かったですね。ステージの裏で出番待ちの配役が待ちきれなくてはみ出してるかのような感じでした。
画面右です。
小さな変化ですが、何気にこの演出は珍しいし、一番印象に残った気もします。ビジュアルノベルという媒体は基本形がきっちり決まっているので、こういう些細な変化でもすごく面白いと感じるのかもしれませんね。
この作品を通して思ったのは、フロントウィングフロントウィングさんには確かな力はある。。。が、いくら素材が最高級でも、最初だけでなく中盤から終わりまでちゃんと上手く仕上げないとこうも口惜しい事になるのかと強く実感しました。
しかし、問題なのはシナリオだけで、CG、音楽は非常に良いので見物です。ですが、人がビジュアルノベルに何を最も求めるのかはそれぞれでも、「やっぱりシナリオが一番大事だな。」というのを何度目か分かりませんが改めて実感しました。
あー、もうほんと第1章のペースでいけば神ゲーにだってなれたかもしれないのに・・・となんかすごく悔しい気持ちです、スタッフでもないのに。しかし、次作はライターは一人なのでこういった事は起きないと思いますが。。。フロントウィングさんの全年齢と18禁で両方出す等、一般を新たにターゲットにする姿勢は良いと思いますし応援してます。
最終的にこの作品を誰になんといって推せばいいのかとても迷いますが、「本気のフロントウィングは出来る!」というような可能性を感じたい人におすすめしたいです。いろいろ不満を書きましたが、それだけ僕はグリザイアシリーズを生み出したこのブランドに期待していて、実際に出だしではグリザイアを超える勢いを見せてくれましたからね。
残念なのも事実ですが、それだけでなく、このブランドに対する期待はむしろ大きくなりました。
要素↓
・CG、演出が良い
・音楽が良い
・ハマる
・雰囲気、世界観がいい
OP↑
↑のは「X-RATED版」、つまりエロありに出来るコードがついてるやつですが、エロなしで買ったとしてもDMMで108円でコードだけ売ってるようなので、後からエロありにもできるようです。ただ、エロはおまけ程度で、グリザイアよりも薄いので期待はいないほうがいいでしょう。
始めからX-RATEDのダウンロード版↓
果つることなき未来ヨリ ダウンロード版