Regista制作のゲーム「ルートダブル Before Crime After Days」の感想、紹介記事を書きたいと思います。 ※全年齢版のみ、プレイ時間目安:35~40時間
・感動・・・10
・ハマり度・・・10+
・キャラ・・・10
・音楽・・・8
・CG、演出・・・10
・総合・・・10
この「ルートダブル」。引き込まれる作品がやりたい人には超お勧めしたいゲームの一つです。
施設内で大事故が発生し、施設内部に閉じこめられた主人公たちの脱出劇。
読み進めるほど、段々と事件の真相に近づいていき、とにかく面白くて、時間を忘れる程に引き込まれます。
主人公が二人いるのですが、片方のルート(After)は緊張感が漂い、先が気になってしょうがないです。
もう一方のルートは最初は日常シーンも多いのですが、二人の視点から物語が進行し、だんだんと繋がってくるんですよね。
こういう手法は個人的には大好きです。
日常シーンも前半だけでストーリーの後半はほとんどが緊張感漂う、目が離せないスリリングな展開です。
ストーリーの引き込み度は私の今まで経験したゲームの中でもトップクラスです。
また、事件の真相が見えてくると、引き込まれるだけでなく、感動もあり、とても深いメッセージ性がある作品であることもわかってきます。
また、極限状態の中にある人間の心理描写も緻密でした。
キャラですが、可愛くて萌えるキャラもいますが、男キャラ、女キャラともにかなりかっこいいです。
自分のしていること、仕事に信念を持っているキャラばかりで、そんなキャラたちの信念と責任感溢れる言動にはとても考えさせるものがありました。
特にAfterルートの主人公で、レスキュー隊の隊長である笠鷺渡瀬は男らしいかっこよさは相当のもので、見所です。
BGMは物語の緊迫感をより際立たせていて良かったですね。
CGはとても綺麗ですね。キャラ絵はもちろん。災害現場の悲惨さがよく伝わってくるような背景も素晴らしい。
演出については、一つのルートが終わるごとに、まるでアニメの次回予告みたいな感じで、次のルートの予告が入るという、中々珍しい演出があるんですが、これは「やっべ、面白そー。」ってなりましたね。
こんな感じ↑
非常に完成度が高いこの作品、シナリオやキャラについては文句なしの傑作なんですが、難点が一つ。
それは、「システム面」です。
この「ルートダブル」通常のエロゲとは異なり、選択肢による分岐ではなく「センシズ」という特殊なシステムでの分岐になっています。
この「センシズ」が問題で、分岐が多すぎ。正直うざかった。
僕は攻略サイトをあまり見ないでやったので、全キャラのEND、CGを見るのに非常に苦労しました。
回収の作業になってしまいました。
分岐の複雑さを楽しめる人には良いかもしれませんが、とにかく「シナリオを読むこと」を楽しみにしている僕からすれば苦痛でしかなかったですね。
ですので、これからプレイする方は攻略サイトを見ながら進めるのをおすすめしておきます。
といっても内容が素晴らしいので超お勧めのゲームであることには変わりありません。
特に以下の要素を求める人にはおすすめしたいです。
・ハマる
・キャラが魅力的
・メッセージ性が強い
・SF
・ミステリー
なんだか「えっ?そういうゲーム?」って思っちゃいそうな所で表示されてますが、残念ながらそういうゲームではありません。
そもそも18禁ですらないのでご注意下さい。(なんか今は僕が買ったとき時の半分位の値段で買えるんですね。ベストになるとこんなに安くなるのか。。。)
あと、僕はPC版でやったんですが、なんかバグが合って、ネットで解決法調べればなんとかなったなんですが、ちょっとめんどくさかったんで、PS3かxbox360持ってる人はそっちの方がいいかもしれませんね。
以下の記事は私がこのゲームから考えたことです。(ネタバレは極力無し)興味がある方は是非読んでみて下さい。
このゲームは考えさせられることが非常に多かったですが、その中でも原点と言えるのは『人が人を大切に想う気持ち』だと思います。
人間の気持ちを大きな二つに分けるとします。
まず先ほど言った『人が人を大切に想う気持ち』これを『善意』、『人が人を憎む気持ち』これを『悪意』とします。
私は人間には先ほど言った『善意』というものが生まれながらにして備わっているのではないかと考えています。
そして『悪意』とは『善意』の子のようなもので、『善意』なくして『悪意』が生まれることはないと思います。
「憎しみ」という感情は、つまり何か大切なものがあり、それを傷つけられた、奪われたりしたからこそ生まれるものだと思います。
なぜ『憎い』のか、それは自分には大切な何かがあるからで、それは自分の周囲の支えてくれる人たち、家族、恋人、友達がいるから、そして自分自身が大切だからだと思います。
この何か大切なものを想う『善意』があるからこそそれを奪うものに対する『悪意』が生まれるのではないでしょうか。
私はこうした『悪意』は当然で正しいものだと思います。
しかし、同時にその『悪意』に完全に囚われないで欲しいと思います。
その根本には誰かを大切に想う『善意』があったことを決して忘れないで欲しいと思うのです。
『悪意』は周りの人に伝染します。『悪意』を向けられれば『悪意』を返したくなる、これは当然でしょう。
しかし、その『悪意』は人に向けている限り、『悪意』の連鎖は終わることはないのではないでしょうか。
そしてその連鎖を絶つことができる、つまり人の『悪意』を取り除くことができるのは人の『善意』以外にありえないとこの作品をプレイして考えさせられました。