サクラノ詩 感想、レビュー 魂の1作だと思いました


枕制作のゲーム「サクラノ詩」の紹介、感想記事を書きたいと思います。 ※プレイ時間目安:45~50時間

sakuranoshi

今年一番の期待作。すばひび並のクオリティを求めて即購入&即プレイ。文句なしの名作。とりあえず10点にしときますが、これは2週目、3週目でまた評価が変わりそう。

  ・感動・・・10

・ハマり度・・・9

・キャラ・・・10+

・音楽・・・10+

・CG、演出・・・10+

・総合・・・10+

あらすじ
春。世界的な美術家である父の死により、天涯孤独となった主人公・草薙直哉は、親友である夏目圭の家へと世話になることになる。そこには、直哉が通う学園の担任である夏目藍、圭の妹で女優の夏目雫との交流が待っていた。

そして、新学期の到来と共に、遠い昔に転校した幼なじみ・御桜禀が、再び直哉の前に現れる。

風に巻く桜の花びらの向こう、それは、約束されていた再開の如く――。時の刻みが想いを重ね、感情の奔流が形に成るとき、そこで出会う光景とは?

・ストーリーについて(シナリオ:SCA-、浅生詠)

序盤は基本的に穏やかな日常のシーンが続くのですが、主人公と周りのキャラ達の関係性(主に過去に何があったか)については謎に包まれていて、それに関係する伏線も日常会話の中にちりばめられており、良質な音楽と穏やかな雰囲気を満喫しつつ、ダレる事なく読めます。

各ヒロインのルートでさっき話した謎が徐々に明かされていくのですが、それぞれの話は完全に独立しているわけではなく、繋がってくるあたりも非常に面白いです。雫ルートあたりからは本当に面白くなってきて止まらなくなりました。

また、とてもテーマ性、メッセージ性がある作品です。

「作品は何のために作られるのか?」とったについての作品内での熱く語られるシーンがあるのですが、ほんとに作り手の情熱が感じられ、その熱がこちらまで伝わってきました。

そしてかなり印象に残る名言も多かったです。

例↓
「幸せはかみしめろよ。幸せってヤツはさぁ。かみしめないと味がしないんだよ。」by草薙直哉

「才能が作品を生み出すわけじゃない。描きたい、そういう信念が作品を生み出すんだ。」by草薙直哉

「模倣は魂がはいってなければ模倣のままです・・・だけど、模倣に魂が入れば、それは既に模倣ではありません・・・」by夏目雫

「凡人は凡人のやり方があります。才能は凡人を裏切りますが、技術は凡人を裏切らない。努力で得た技術体系こそ、凡人の武器。凡人の刃だって、天才どもののど元に届く事がある。」by長山香奈

深い話をしてると思えば急にふざけた会話になったりするんですが、そのバランスもなんか妙に自然で面白かったです。そしてそういうふざけたシーンではヒロイン達の面白&かわいらしい姿がとてもよく描かれてもいて、なんだか見どころ満載といった感じでした。

すばひびよりも使っている言葉自体は簡単なんですが、その意味などを汲み取ろうとすると、やはりけっこうな考察が必要だと思います。SCA自さんの書くシナリオは単に面白いだけでなく、難解さからくる読み応えというのも大きな魅力と言える気がしますね。

後、この作品は大きく物語が1~6の6つに分かれているのですが、その中で描かれる6つ目のラストの話はその前の話から数年~数10年程経った始まるので、たとえば、クラナドでアフターストーリーを始めた時のような時間の流れを感じさせてくれます。過去の話なんかもけっこうな時間遡りますので、なおさらそう思えます。面白さもラストを飾る6つ目の物語は最高で止まらなくなります。

流石にクラナドには少し及びませんが、シナリオ相当のボリュームがあるため、感慨深くなるものです。

ラストは終わってしまうのが寂しいような「終わっちゃうのか・・・」って感じではありましたが、考えてみると良い締め方ではあった気もします。ちなみに続編があるらしいので、若干の消化不良感が残った方も安心してください。

感動はするんですが、「号泣っ!」っていうよりはなんか静かに何かを訴えかけてくるような感じというか・・・とにかく学ぶ事、考えさせられる事がある物語でした。

・キャラについて

主要キャラ紹介

・草薙 直哉
naoya-kusanagi

本作品の主人公。弓張学園生。一見無口でストイックだが意外に熱血。父親は天才画家の草薙健一郎で、その才能を受け継いでいるが、現在は筆を折ってしまっている。現在は天涯孤独の身の上で、親友の夏目圭の家に世話になっている。

・御桜 稟(CV:萌花ちょこ)
rin-misakura

直哉の幼なじみ。幼少の頃に転校して離れ離れとなっていたが、物語冒頭の新学期に弓張学園へ転校して再会する。明るく温厚な性格だが、意外に気が利く面もある。美術部員。

・夏目 藍(CV:澤田なつ)
ai-matsume

夏目家の長女で、圭と雫の姉。両親が家にいないため、夏目家を切り盛りしている。物語冒頭で弓張学園へ教師として赴任する。直哉のクラスの担任で、教科は現国を担当。美術部の顧問でもある。

・夏目 雫(CV:早瀬ゃょぃ)
shizuku-natsume

夏目家の次女で、圭と藍の妹。彼らとは違う学校に通っており、「草薙葛佳」の芸名で女優の仕事をしている。ぶっきらぼうで愛想が無いが、なぜか凜と直哉には懐いている。

・鳥谷 真琴(CV:五行なずな)
makoto-toritani

直哉のクラスメイトで、美術部の現部長。傍若無人で自分勝手だが、実は繊細で優しく、部員の少ない美術部を何とか存続させようと頑張っている。

・氷川 里奈(CV:藤森ゆき奈)
rina-hikawa

直哉の幼なじみの美術部員で、“妹後輩”を自称する新入生。明るく元気な性格。優美から異常なまでの愛を受けているが、本人はいたってノーマル。

キャラの魅力は主人公はじめ、全体的に抜群でした。単にかわいいとか笑えるとかだけでなく、それぞれのキャラの性格とか考え方とか生き方とかがちょい役までよく描かれているのが良かった。

中でもやはり主人公が良いです。一見は無気力系キャラに見えながら、時に熱く、時におもしろおかしく、時に小難しい事を言ったり、すばひびの間宮卓司もたいがいそうでしたが、今作の主人公も本当に面白いです。見てて全く飽きません。

次に面白かったのは、ヒロインではないのですが、優美のガチ百合でエキセントリックな言動には笑わせてもらいました。

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あと、もう一人お気に入りのキャラで長山香奈というキャラがいるんですが、彼女の考え方・生き方は「自分は特に大した才能がない、取るに足らない人間だ。」なんてことを考えたりする人にはきっと響くものがあると思います。(プレイし始めは「は?こいつみたいなキャラのどこがいいの?」ってなるでしょうが、まあ、続きを読んでいけば段々分かってくるはずです。)

また、上で紹介してる以外にも脇役キャラは結構いっぱい登場するんですが、それぞれが物語において欠けてはならない重要な役割を果たしていたり、あるルートではただのウザキャラにしか見えなかったキャラがあるルートではまた違った側面を見せてくれたり、前の話とはまた違う立ち位置で物語に登場したり、成長した後の姿が描かれたりするのでこれまた面白かったり、感慨深いものがあったりしました。

・音楽について(音楽:RYO、松本文紀(szak)、歌:はな、橋本みゆき)

音楽は松本さんはじめ、すば日々のスタッフなので期待大でしたが、予想通りのクオリティの高さです。OP、ED、BGMともに文句なしに素晴らしかった。改めて「良い物語を良い音楽を聴きながら読む」という贅沢は止められないなと思いました。

・CG、演出について(原画:基4%、籠目、狗神煌)

グラフィックも素晴らしかったです。

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背景、通常のイベントCGはもちろん、この作品の大きなテーマは「絵」で、芸術家であるキャラ達が書いた絵のCGも何枚かあるんですが、これは普段そういう「絵」とか「美」にあまり頓着しない僕でも自然と「ほー。。。」とか「おおっ!」ってなったりするような「芸術」を感じるCGでした。

ここで一例で何枚か貼るのもありとは思いますが、僕的には話の流れの中で初めてその絵を見たほうがより感動も際立つと思うので、貼らないでおきます。

・まとめ

発売前から話題になってましたし、僕自身、期待大でしたが、その期待を裏切らない、というか部分的には予想を超えてくる素晴らしさでした。シナリオゲーをやりたいなら絶対おすすめです。

ただ、すば日々ほどではないかもしれませんが、やはり難解なところはある作品ですので、1週目で細かいところまで理解するのは難しいかもしれません。(僕自身、理解しようとしながら読んではいましたが、正直けっこう厳しいです。すば日々もそうですが、2週目やるとまた新しい発見とかありそうです。)

要素↓

・メッセージ性

・キャラが魅力的

・ギャグ

・CG、演出が良い

音楽が良い

・難解、考察しがいあり


OP↑

サクラノ詩 ダウンロード版

名言集はこちら


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コメント

  1. mxav より:

    本当にこのゲームは素晴らしかった
    それでこの魅力的な主人公がすっごくいい味してる
    人間的に凄く好きな部類に入ります
    「一番うまくいってない時、一番クソな時が、一番生きてる時なんだよ」
    が自分の中では草薙直哉の一番の名言です
    あのシーンであれを言われれば何も言えません
    本当に素晴らしいゲームでした。

    • シナリオゲー大好き より:

      コメントありがとうございます!

      「一番うまくいってない時、一番クソな時が、一番生きてる時なんだよ」

      僕もこのシーンはとても印象に残ってます。CLANNADは人生と言いますが、サクラノ詩もまた人生でした。草薙直哉という人間の人生をすごく感じさせてくれました。
      物語終盤の件の台詞はそれまでの草薙直哉の人生を見てきたからこそ、心にずしんと響いた気がします。↑の台詞は名言集の方に掲載しようとも思いましたが、この台詞の場合、特にそれまでの積み重ねがあってこそのものだと思ったので、敢えて掲載しませんでしたが、ほんとに忘れられない名言の一つです。

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