黒と黒と黒の祭壇 感想、レビュー 惜しい所はあるけど、設定とシナリオは面白い


C’s ware制作のゲーム「黒と黒と黒の祭壇」の感想を書きたいと思います。 ※プレイ時間目安:20~25時間

・感動・・・7

・ハマり度・・・10

・キャラ・・・9

・音楽・・・8

・CG、演出・・・9

・総合・・・9

あらすじ

安寧の日々は灰燼に帰した――

聖地レイアーク――『ミディリーシュ教』と『ハプラスティマ教』の二つの宗教が同じく聖地とした、神に祝福された土地。そして、この分断された歴史を持つ二つの宗教が、土地の占有の正当性を巡って、長きに渡り争い続ける、血塗られた聖地。現在、この聖地を保有するのは『ミディリーシュ教』のユディル王家。ユディルの皇子、グルーヴェルの輝かしき武勇によって、ミディリーシュ教徒は神に祝福される幸福に浴していた。

グルーヴェルは、まぎれもない、誉れ高き英雄だった。

そして、ユディル王家の皇女、グルーヴェルの義妹・ユーディットは額に聖女の証である、聖痕を持つ乙女。彼女の存在が、ミディリーシュ教の聖地での正当性を不動のものとしていた。

――しかし、聖女ユーディットのたった一言が、英雄グルーヴェルを絶望の淵に叩き落した――「反逆者グルーヴェルの処刑を」

神託に従い、牢に閉じ込められたグルーヴェルは、義妹を、神を、すべて憎んだ。そして、彼の前に一人の少女が現れた。その、少女の呪われた誘いを受け入れ、彼の復讐が始まった!

・ストーリーについて(シナリオ:朱門優)

パッケージの外観からはどう見てもただの抜きゲーにしか見えない本作。

しかし、シナリオライターは知る人ぞ知るあの朱門優先生ですので、もちろんただの実用性重視の抜きゲーであるはずがなく、パッケージからは全く想像できない設定と展開の連続で、非常に読ませるシナリオとなっております。

序盤から主人公が牢獄にいるシーンから始まるのですが、どこに出しても恥ずかしくない、人望がある人格者である主人公をチッセが唆して復讐の道へと誘うシーンは非常に良いです。

私は復讐劇は大好きなのですが、キャラの内面が真っ白から何かのきっかけで真っ黒に染まるみたいな悪堕ち展開ってすごくワクワクします。最近だと、小説のモンテ・クリスト伯なんかも聖人君子が復讐の鬼へと化す様は見ててある意味気持ちが良いですね。

パッケージからはロリ姫様ただ調教しまくるゲームにしか見えませんが、チッセちゃんを中心に話が、神だの天使だの呪いだの世界だのと、どんどん風呂敷が広がっていくので、「あー、朱門先生だわー。」ってなります。

しかし、この人は本当に神とか世界とかほんとに得意ですね。正直チッセちゃんのファンタジートークには普通についてはいけてないんですが、ほとんどわからない中にもなんとなーく「んー、こういうことかな?」ってなんとなく想像できることもあって、どんどんノンストップで読み進めてしまう面白さがありますね。

ヒロインは一応4人なんで4ルートありますが、レアルとベアトリーチェはおまけみたいなもんで、ルート入ると30分もしないうちに終わります。ただ、キャラの背景はわかるんで、先にこの二人をクリアしてからチッセ→ユーディットがいいかもしれませんね。

チッセルートで話の全容がわかって、trueであるユーディットルートでは主人公が改心するんですが、話としてはこの二つが特に面白いんですけど、新しいシナリオを書く時間がなかったのか、本作では同じテキストの使いまわしがかなり多いのですが、主人公の心情の変化があまりにも唐突で不自然な所が見受けられたんですが、特にこの話では顕著で、選択肢からすでに「いやいやこの流れでそれはねえだろ?」って感じでなんか無理やりでテキストを使いまわせるように強引に話を持って行ってる感がありました。例えば調教中に後悔してる素振り見せたと思ったら、次の日にはなんの迷いもなく調教してるとか。

シナリオ自体はさすがの朱門先生で面白いんですが、節々に不自然さが残る、終わり方もそうですけど、描写不足でお粗末な所があるのは惜しいなと思いました。しかしやはり朱門先生ならではの話の広げ方はやっぱよかったです。ちなみに、朱門先生の作品はけっこうやってるますが、本作は中でもかなりわかりやすい方だと思います。

・キャラについて

主要キャラ紹介

・ユーディット

物語のメインヒロイン。
身体(額)には聖女の証である聖痕が浮かび上がっており、調教儀式が進み彼女が淫蕩に染まっていくにつれ、これが黒く禍々しい呪痕へと変容していく。
聖女は神々の分身とも呼ばれているので、こうした彼女の危機を感知した神々は天使達を送り込んで来る。

・チッセ・ペペモル

主人公を悪の道へと誘うナビゲーター役。
牢獄で処刑宣告を待つグルーヴェルの許へと現れた邪教徒であり、ハプラスティマ勢力再興の為、魔術儀式によって聖女の魂を地に落とそうと目論んでいる。

・レアル

グルーヴェル専属の侍従。
一年ほど前にグルーヴェルの小間使いとなり、弱気な性格ながらも甲斐甲斐しく主人に仕える健気な男の子。

・ベアトリーチェ

皇女を守護する近衛兵。
代々騎士の家系の生まれだが、女だてらに剣を握ったのは家柄に縛られての事ではない(夫唱婦随の残る時代なので、別に女性差別の意ではない)。家督は継ぐべき兄がいる。彼女はその理由を外面的には家柄だの騎士の誇りだのと嘯いているが、その実はグルーヴェルの最も近くにいれる場所を求めての事である。庶民の出である事の壁を打ち崩そうと戦場での武功に走るグルーヴェルの背中を護り、彼に多くの手柄を立てさせる為に彼女は剣の腕を磨いた。

やっぱり何といっても注目せざるを得ないのはチッセです。基本的に彼女が物語の主導権を握っているといっても過言ではないです。やたらと意味深な言動をして、彼女を中心に様々な謎が渦巻いている感じです。

蜜柑でも思いましたが、青山ゆかりさんボイス、意外と電波なセリフも合ってます。

レアルは設定的にはどんくさい眼鏡の侍従の男の子っていう設定ですが、実は・・・・・・なんですが、公式のキャラ紹介だと普通にその正体は〇〇とかいってネタバレしてるんですが、まあ、ちょっとでも楽しみ増えるかなということでここでは伏せておきます。

ベアトリーチェは話の途中までは完全に「誇り高い女騎士」なんですが、ルート入るとある時点で完全に豹変するので、そこは面白かったですね。

上でも書きましたが、主人公は同じテキストが使いまわされてる影響もあるのか、心境の変化が謎なところもありますが、誇り高い騎士モード、鬼畜な調教モード、戦闘大好き鬼神モードといろいろな顔を見せてくれるのでチッセと同じく見てて飽きない面白さがありました。

ちなみにHシーンの大半はユーディットなんですが、ロリは好きですが、性欲の対象としてはロリは完全に射程範囲外なので、数が多かったですが、本作においては全部スルーしました。

・音楽、CG、演出について(音楽:MOMO、尾形雅史/原画:山本京)

蜜柑とかでもそうでしたが、たまたまなのかわかりませんけど、朱門先生の作品特に力入れてるって訳でもない気がしますが、BGMとか効果音とかが非常に上手く機能してるんですよね。電話の音とか(これは蜜柑ですが)、雷の音とか、非常にそのシーンの雰囲気を引き立ててるところはポイント高いです。

近年のAUGUST作品とかまほよとかみたいに金と時間はかかってなさそうですが、適切な所で適切な演出を上手く入れてるところは非常に素晴らしいと思います。(もうこのメーカーないっぽいですけど。)

CGはまあ古いなりに特に癖もなくて普通って感じでした。

・まとめ

かなり久しぶりのエロゲで、ブログの更新になりましたが、惜しいところはありながらも、「やっぱエロゲは良いな。」と思えるほどには面白かったです。

朱門先生のシナリオが好きな方や神とか天使とか世界とか話のスケールがでかいのが好きな人には特におすすめしたいですね。共通ルートとチッセ、ユーディットルートは特に面白いので、どんどん読んでしまえると思います。

ちなみに、私は攻略サイト見ながらやりましたが、それでも、何度も同じテキスト読まされたので、攻略サイト見ないでやるとかなりきついんじゃないかと思います。↓ここでいいかと。

http://schwarznebel.web.fc2.com/binah/csware/kuro3.html


OP↑

黒と黒と黒の祭壇 ダウンロード版

朱門先生の他作品でこのブログで紹介してるやつ。

天使の羽根を踏まないでっ
きっと、澄みわたる朝色よりも、
蜜柑

この3つの中だと、上の二つが特におすすめですかね。蜜柑はシナリオが大きく三つあるんですが、朱門先生担当の話はめちゃめちゃ面白いんですが、あと二つはそうでもないんで。

しばらくは前のような頻度では更新できないと思いますが、ブログの方はゆるりと続けていきたいと思いますので、こんなブログでも読んでくださっている方、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。


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コメント

  1. ほとり より:

    こんにちは。初めまして。
    この間たまたまこのサイトを見かけ、以来自分がプレイしている作品などのレビューを見ては共感させてもらっています。
    私が最初に見た記事は何年か前のものでしたから、今もなおこうして記事を更新しているのを見てなんだか嬉しくなりました。

    シナリオゲーは限りがありますし、近年だと実力派のライターさんが皆ライトノベルやアニメ脚本・漫画原作にいってしまって中々ガツンとくるような名作が生まれにくい状況ですが、それでも期待しちゃいますよね。エロゲの瞬間風速的感動って何故かすべてのコンテンツを超えるような迫力というか、言葉では言い表せないものがあります。
    あれってなんなんでしょうね。自分が主人公になって物語を進めるせいでしょうか。
    もしかしたら最も感情移入しやすいコンテンツなのかもわかりませんね。

    クラナドなどギャルゲーをやっていたためにエロゲに理解ある友人はいますが、エロゲで語れる知り合いは皆無なのでこのようなサイトは個人的にありがたいですし、応援しています。

    • G より:

      コメントありがとうございます!

      「エロゲの瞬間風速的感動って何故かすべてのコンテンツを超えるような迫力というか、言葉では言い表せないものがあります。」
      ほんと、そうなんですよね。本当に素晴らしい作品をやると思わずぶるっと鳥肌がたってしまう時があるあの感覚。私も最近は数ヶ月に一本とかになってますが、たぶんこれがあるからエロゲはやめられないと思います。
      嬉しいコメント、どうもありがとうございました!

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